開発コンサルって、結局何をしているの?
どういう1日を過ごしているの?
この記事では、私自身の体験を交えながら、これらの疑問にお答えします!
目次
そもそもどういう仕事をしているの?
ECFA(一般社団法人 海外コンサルタンツ協会)のHPでは、開発コンサルタントの仕事内容について、以下のような紹介がされています。
一般社団法人 海外コンサルタンツ協会:開発コンサルタントとは
開発コンサルタントが対象とする仕事は幅広く、しかも国際協力事業の高度化・複雑化に伴い、その専門能力が求められる裾野はますます広がる一方だ。具体的な仕事の内容は、一国の開発計画の作成支援業務などから、たとえば橋を架けたり、道路を整備したり、農村の小規模な給水施設をつくったり、とプロジェクトの内容、規模とも実に多彩である。分野的にも農業、林業、水資源開発、運輸・交通(港湾、道路、空港など)、鉱工業、エネルギーから、保健・医療、教育、経済、行政、社会一般までと、途上国援助がおよそ人間の生活と生産のすべての分野にかかわってくるように、コンサルタントの仕事も人間生活のあらゆる領域をカバーしている。
上の文章と画像を超簡単に説明すると、
途上国の様々な分野のプロジェクトの計画・調査・設計・施工・運営、すべての仕事を行う
ということです。
今回は、たくさんある仕事のうち、調査プロジェクトである「フィージビリティー・スタディ(通称:F/S)」の1日のスケジュールをご紹介します!
フィージビリティー・スタディ(通称:F/S)とは、前段階である計画フェーズによって立案されたプロジェクトがフィージブル(Feasible)か、つまり、実行可能か否かを検討し、実施に最適な事業計画を策定するための調査です。
この調査結果を基に、途上国側がプロジェクトを実施するか判断したり、各機関(JICAやADB等)が融資をするかどうかを判断したりもします。
ざっくりいうと、こんな感じの流れです。
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途上国「高速道路を作りたいので協力してほしい!」
↓
日本「本当に作れるのか、作る効果があるのかを検討する。開発コンサルタントさん、現地で調査してきてください。」
↓
開発コンサル「わかりました。現地調査して、報告書を作成します。」 ←これがF/Sです。
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F/S に従事する若手コンサルの1日のスケジュール
こちらが私のとある日のスケジュールです。
- 7:00:起床
- 7:30:ホテルで朝食
- 8:30:出社
- 9:00:メールチェック
- 9:30:打ち合わせの準備
- 12:00:昼食
- 13:00:打ち合わせ場所へ移動
- 14:30:カウンターパートへ中間報告
- 16:30:打ち合わせから帰社
- 17:00:議事録の作成
- 18:00:他のメンバーの予定を抽出し、ドライバーへ伝達
- 19:00:夕食
- 21:00:自由時間
- 23:00:就寝
7:00:起床
朝は7時ごろ起床。
早く起きれた日はホテルの周りを散歩したりすることもあります。
国によってはニワトリ、車、バイクやアザーン(イスラム教の「礼拝時間の呼びかけ」)の音で強制的に目覚めさせられます。
7:30:ホテルで朝食
基本的に朝食はホテルについています。
タイミングがあえば先輩や上司と一緒に食べたりします。
日本ではなかなか見ない・食べられないフルーツが食べられるのが良いです。(↓マンゴー)
8:30:出社
仕事をする場所は様々です。
現地に支店があれば、支店で仕事をするときもありますが、基本的には事務所を借りて仕事をします。
借りる事務所は普通のオフィスビルだったり、ホテルの会議室だったりと様々です。
ホテルの会議室がオフィスだと移動は楽ですが、気が滅入るので個人的には好きではないです。
9:00:メールチェック
どの業界で働く方も同じですが、まずはメールチェックがその日の最初の仕事です。
どの国でも、時差的に日本よりも遅い国が多いので、日本からのメールは結構たまっています。
現地のカウンターパートやスタッフさんとは英語でやり取りすることが基本です。
時間短縮のために、Google翻訳やDeeplといった翻訳ソフトを使用しています。
9:30:打ち合わせの準備
メールチェックが終わったら、その日の仕事に取り掛かります。
この日は、午後に打合せ(カウンターパートへの報告会)があるので、その準備をします。
若手の場合、先輩や上司が作った資料の取りまとめや誤字脱字の確認、印刷やホチキス留めなどを行います。
簡単そうに見えますが、色々な人が作った資料をひとまとめにするので、体裁を整えたり、用語を統一したりするのが意外と面倒で時間がかかります。
12:00:昼食
昼食は本当に様々です。
人によっては、日本から持ってきたインスタント食品を食べたり、フードデリバリーで何かを注文したり、近くのレストランに行ったり、様々です。
私はフードデリバリーを使うことが多かったです。
↓これは南アジアの国で注文した「ビリヤニ」です。
フードデリバリーは当たり外れが大きいですが、それも楽しめると毎日楽しくなってきますよ。
13:00:打ち合わせ場所へ移動
昼食が終わったら打ち合わせ場所に移動します。
発展途上国の都市部は交通渋滞がひどいので、大した距離ではないのに信じられないくらい時間がかかったりします。
14:30:カウンターパートへ中間報告
渋滞を乗り越え、打合せ場所である、カウンターパートのオフィスに到着です。
最初に記載したように、F/Sでは調査結果を報告書にまとめることが仕事になりますが、この日は中間報告書の説明します。
この時の若手の仕事は、パソコン操作や、メモを取ることです。
16:30:打合せから帰社
えげつない渋滞を乗り越え、オフィス帰ってきました。
17:00:議事録の作成
記憶が新しいうちに、議事録の作成に取り掛かります。
私はそこまで英語が得意ではないので、日本語で議事録を作成するのの3倍くらいの時間がかかります。
18:00:上司や先輩の予定を抽出し、ドライバーへ伝達
議事録の作成は終わってないですが、先にドライバーさんに明日何時に来てほしいか等を伝達する必要があります。
そこで、上司や先輩方に明日の予定を聞き、何時に車が必要か聞いて回ります。
それを伝達し、ドライバーさんが帰ったら、本日の業務はほぼ終了です!お疲れ様でした!
この手の仕事は現地で雇う秘書さんがやってくれる時もあります。
19:00:夕食
夕食もその日によって様々です。
みんなで近くのレストランに行ったり、フードデリバリーを頼んだり。
私が一人の時はその辺の屋台で食べたりしますが、結構おなかを壊すので、おすすめはしないです。
21:00:自由時間
ご飯を食べ終わったら自由時間です。
私は意識高い系とかではないので、普通に部屋でYouTubeを見たりすることが多いです。
23:00:就寝
渡航したばかりの慣れないうちは、普通に日本で働くよりも疲れるので、泥のように眠ることができます。
こんな感じで1日が終わります。
最後に
いかがでしたでしょうか?
もちろん、これはあくまで1例ですが、なんとなく若手開発コンサルタントがどんな仕事・生活をしているかがお分かりいただけたかと思います。
これを読んで「楽しそうだなぁ」と思った方は、開発コンサルタントの素質があるかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。